2015年4月13日

旅は徒然 epi 3 カブの帰還(帰ってないけど)









@kawaminiが投稿した写真 -





前回特大ヘルメットを見つけカブを購入するに至る経緯まで書いた。(epi 2 Araiの逆襲)何故自分がカブに乗ったのかという心象描写が全くなかった事に気付いたが、この辺りはまた回を改めて書くとして、まずは自分がカブを使って何をしていたかシンボリックな写真があったので、その辺りから書いていこうと思う。

カブを手に入れ生まれて初めて自分で動かすエンジンのついた乗り物を動かした。その便利さと快活さに歓喜し人類の叡智に恐れおののいた。自分が好きな小説の冒頭で、脇役の異星人が初めて地球にやって来た時、この惑星を支配しているのが自動車だと勘違いして、友好の気持ちを示そうと走っている車に向かって握手をしようと手を差し伸べたというエピソードを思い出した。空から地球を眺めると最も元気よく活動しているのはエンジンのついた乗り物なのだろう。ちなみに銀河ヒッチハイクという作品で、ここから自分は人生観や行動基準において物凄い影響を受けた。

話が脱線した。時速30kmで楽々移動出来る今の自分は人生の中で最も速く走っていた。高校生の頃誰よりも速くなりたい。と呟きながらサックスを吹いて周りの顰蹙をかっていた事を思い出した。時速30kmではあるが、私は気持ちの上でアンドロメダよりも速かった。例えトラックに煽られて脱輪しようとも、本気ロードバイクに追い抜かされようとも、二段階右折で乗り切った。

最初のうちは運転するのが気持ちよく台風が来ようとも何処に行くのもカブだった。乗り始めて色々な人に「カブにフルフェイスて」と言われる。世間的にカブにフルフェイスというのはアブノーマルな事なのだろうか。普段アブノーマルな人(アンバサダーニッシー)と一緒に住んでいたのでその辺りの感覚がおかしな事になっていたのだろうか。カブならベースドラムくらい運べるでしょうよと彼に言われてなんの疑問も持たなかった自分の感覚は狂っていたのだろうか。しかし、アンドロメダより速かった私はカブにベースドラムを載せる事が最高とはいかないまでにしてもある程度クールだと思っていた。このフォーメーションで頻繁にストリートニッシーと路上に出かけた。

部屋のノックが聞こえる。「ちょっとストリート行こうよ」が「ちょっとそこの醤油取ってくれへん?」と平行線上に並ぶ日常。なかなかバスクな生活を送っていたものだと思う。…今こうやって書き出してみるとアンバサダーニッシーが自分に原付の免許を取得させた真の目的はコレだったのかもしれない…

書いていたら無性に路上に繰り出したい欲求に駆られた。別のシリーズで路上行脚の事も書いていければなと思う。旅は徒然シリーズなのに全然旅立たないけれども、旅というのは準備している時が一番楽しい。ムダに前置きが長く続き中身少々オチつかないというのがこの様な振り返りBlogのスタンダードだと思うのでその辺り気をつけながらじっくり書いていこうと思う。

つづく

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